専科

科目瓦解

世の中で流行っている広告と異なっていて、申し訳ないと存じますが、 私どもの申し上げたいことは「遅れて来て全部を取り返そう」とは思わないで下さい、ということです。 文系の日本史、世界史は何処から始めても点が取れますが、理系ではそうはいきません。 欲しいものより、自分の出来ることを考えるのが理系科目の受験です。 勉強が遅れても、塾に通えば何もかもうまくいく。1年2年遅れの勉強でも、 取り返して難関大学が受かるようになるとは思ってはいけません。岐阜・三重以上を目指すならば。 理系科目では通常学校で1年かけて学ぶものは塾で学ぼうと思っても同じように1年という時間を必要とします。 もし何か特別な工夫があれば12カ月かかっていたものが11カ月になり、10カ月になるかもしれません。 しかし基本的に学校と同じだけの時間しかいただけないならば、塾でも同じだけの時間が必要としますし、 ましてや塾だからといって勉強を始めて3カ月で、1年分の勉強が終わることなどありえません。

例えば、高校2年生の秋に塾の門を叩き、数学・物理・化学の状況を調べてください。 国立大学の理系を志望します。 調べて見ますと、受験に必要な数学、数1・数A・数2・数B・数3の内、 出来ているのは数Aだけ、三角比・確率は基本的な考え方、教科書レベルすら出来ていません。 物理は「0(ゼロ)」。化学はモル濃度がない。 そう考えるとどれだけ頑張っても受験までの残りの期間を考えると、 数学は週3回分の時間をもらっても、よくて数1・数Aの復習と、数2・数Bまで。 化学は週2回で中学から直し化学1Bの範囲を修められるか否かが限度であります。 通塾は週5回となります。物理は数学・化学に埋没し、受講しても身に付くまでにはなりません。 文転せずに、理系科目で受験を考えるとすると、数学・化学を使っての受験となります。 行くか行かないかは別にして、現役中達せられる単元は、数1A・数2B、化学1Bまでと考えます。 数学3、化学が全部修まることはありません。 現実的には、行く行かないは別として、出来ることは、私立の薬学部を狙うということになります。 これから塾へ行ってやろうというのに「最初から浪人覚悟、とか私立の薬学部などという話は聞いておれるか」 とお怒りをかう訳でありますが、科目が瓦解せずに理系科目で受験を考えると、これが限度と考えます。

「他の塾はそういうかも知れないけれど、うちはやって見ます」と言われると、 親御さんには嬉しいのでありますが、これは「やって見ます」と言っているだけで、 過去にこれで出来た人が5割以上いるとか、あなたがこれで出来ると言っている訳では全くありません。 おおよそ受講科目が瓦解する悲劇的な結末となります。 「お気をつけください」と申しても、今はあまり自分の子どもがこういうことになるとは考えもせずに、 塾の門を叩かれる方が多いので対応に苦慮致します。

思いさえあれば、何でもかなうのでは…とお考えになる人が最近増えてきた様に思います。 ここへ来るにあたり家族なりの努力はして来たんだ、と初対面の人にいうのはいただけません。 私どもはこれからご子息が修めるべき学問の数量の話をしているのですから。 「うちの子もチャンスさえあれば、総理大臣や大統領になれるかもしれない。 方法など関係なく、思いさえあれば、たいていのことはかなうのだ」と思われる方の扱いには大変苦労します。 そういうことが無いから、みなきちんと勉強をし、少しずつ頭を鍛え、夢に近づく努力をするのだということを忘れないでいてください。

例え話を申し上げます。 7万人の軍隊が常駐する島を攻めようと考えます。 こちらは通常、1万人で1軍隊である。だから今回もまず、通常戦力1万で島を攻める。 勿論、全滅。 もう少し、兵隊を増やそう。 では、3万人で島を攻めよう。 勿論、全滅。 いや、この3万人は指揮官が悪かったのだ。指揮官を変えてもう一度、3万人で攻めよう。 勿論、全滅。 戦う前に相手の人数を把握し、1万+3万+3万= 7万人(人) 7万人を一気に投下すれば、必ず勝てるとは申しませんが、五分五分の勝負にはなったと思います。 相手の戦力も考えずに、自分の事情だけで適当に数量を投下する方法を逐次投入と申します。一番投資で行なってはならないことであります。

うちへいらっしゃる方は、よく、「他で3万投下しました。お宅で3万使えば、勿論受かるんですね」 とお話になり、私の怪訝そうな顔を見て不信感を募らせます。 ご協力をお願いします。

○○円、これで駄目なら○○円という塾費用の逐次投入のお話の続きの話を致します。 これまで塾というものに全く通わずにいて、これから通おうか、と思案されている親御さんの為に助言致します。 「これくらいの費用ならすっても痛くない」と考えながら賭ける教育費は単なる博打で、ご子息・ご令嬢の未来を作る投資ではありません。 知り合いの○○君は、ここからよい大学へ行ったのに、何故うちの子には効果がないのですか?調べてください。」とこちらで仰られる方もいます。 私はこの質問に答える義務は全くないのですが… 少しだけ申し上げますと、 競馬やデイトレードで大金持ちになった人が殆どいないのと同じ理屈で、博打ってそういうものですよとしか、私は答えられないのであります。 理系の科目を身に付けるというのは、分母の大きな分数をコツコツ1つづつ身に付け、積んで受験に辿りつくお話で、極論するならば、その日その日に費用に見合う効果は実感できないけれど、お金ばかりがかかるものであり、さぼるとあっという間に手遅れになるという厄介な学問です。 お気をつけください。

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